第12回社会医学若手フォーラム(12月18日)のご案内をいたします。
今回は、不妊に関する社会医学的研究に取り組まれている前田恵理氏(北海道大学)から、男性不妊に関する疫学研究についてお話をいただく予定です。
これまでと同様にランチタイムに開催いたしますので、昼食をとりながらぜひお気軽にご参加ください。
登壇者による自己紹介・研究紹介および質疑
北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室
日本衛生学会・日本公衆衛生学会・日本疫学会
2004年東京大学医学部医学科卒業。東京都福祉保健局を経て、2016年東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻博士課程修了。2016年~2023年 秋田大学大学院医学系研究科衛生学・公衆衛生学講座にて助教・講師・准教授。2023年4月より北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室・准教授。不妊に関する社会医学的研究に従事。
男性の妊孕性に関する疫学研究
世界の不妊症の生涯有病率は17.5%と推定されており、不妊症の約50%において男性側の要因があることが知られている。最近のメタ回帰モデルによれば、総精子数および精子濃度の世界的な減少が過去20年間で加速していることが示されており、欧米諸国における様々な疫学研究により、精液の質に影響を与える可能性のあるリスク要因が示唆されている。
一方で、日本人(特に不妊患者でない一般男性)を対象とした研究はほとんど行われていない。演者らは、一般男性を対象に、生活習慣や環境化学物質曝露等、修正可能なリスク因子を測定し、精液所見や将来の出生力との関連を明らかにすることを目的としたコホート研究を実施中である。さらに、保健教育により不妊予防が可能か検討するため、同コホートに対して、1:1のランダム割付を行い、介入群には将来の健康と家族形成を見据えた保健教育を実施した。本フォーラムでは、ベースライン調査と1年後までの追跡調査の結果の一部についてご紹介させていただく。